印鑑の利用が堅調に推移
ある種の政治家たちは、大声を出して相手を抑えつけ、あまり信頼できない話をどこまでも続けることがある。
それに対して、他も大声で対応していく。
これは海外で通用するやり方ではない。
相手の思考の切れ目、呼吸の切れ目を見いだして、自分の発言を入れていく方法の開発をしたほうがよい。
特定の人の決断と出較し、もし、自分だったらどう決断するかやってみよう実際には多くの人が、俺だったら、というように、何らかの似たことをしているはずである。
この場合、必ず、自分の決断では、その決断によって直接的には何が起こるか、そしてその対策をどうするか、決断後にその他どんな変化が起こりうるか、その変化が発生したら、どうするかなど、一歩踏み込んで、その上で自分の決断を固めるようにするとよい。
後で、比較する特定の人の決断の結果が出てくるのでリアリズムがある。
努めて自分の日常から離れた世界の人を、自分が成り代わる相手にするとよい。
もし私が、厚生労働省の誰それさんだったらというふうに。
新聞、テレビで報道される具体的な人になったつもりで、自分の想定と、現実にその人がとった行動と比較する。
その後に発生するさまざまな事象を検討する。
こうすることで自分にどの情報が欠け、また、自分の決断の仕方にどんな問題があるかがわかってくる。
また逆に、自分のどこが優れていたかがわかってくる。
そうするとよくしたもので、その事項や領域にこだわりを持つので、人に会ったときも、会議に出たときも、それらの情報に気づき、自然と必要なことが頭に入ってくる。
この方式でつく能力は、施策立案能力、意思決定能力、情報の評価力である。
当然、構想力の基礎となる。
また自分の立場からのみでなく、相手の立場を取り巻く条件を取り込んだ状況から判断できるようになる。
これは説得力の強化につながる。
将来を目指した重要な日常訓練である。
最後に、冒頭に述べたチャレンジ精神の重要性を指摘しておきたい。
困難にぶつかってそれを回避することは、このチャレンジ精神に反することである。
難しい構想には取り組めない。
ある首相は柳行李の中に、首相になったら実行したいと思う構想をいっぱい書きためであったそうである。
あるとき新聞記者が「首相というものはそんなになりたいものですか」と質問したとき、彼は実に率直な態度で「それはなりたいものですよ」と答えた。
私は構想設定の背景にある意欲やチャレンジ精神を感じたものである。
それがよい構想を生むための原動力である。
次に、構想力強化のため、まず次のことを確認していただきたい。
1. 暖昧なものと哩昧なものはつなげられない。
2.誰にでもある思い込みは過去の情報・体験にもとづく。
修正が必要。
3. まとめるための狙いが必要。
狙いを固める。
4. 知らないことの構想はできない。
情報が必要。
5. 思考の範囲が狭い、また関心が弱いと構想のための大事な情報を見落とす。
6. 行き詰まりを打破するには逆を考える。
7.諸変化に気づかないと以前の構想と同じになる。
8. 水に入らないと水泳はマスターできない。
身近なことから構想を始める。
繰り返す。
9.将来のあるべき姿を描く訓練をする。
10.解きにくい問題は必ずある。
負けずに突破する方法を考え抜く。
では、構想力を強化する核心へと入っていこう。
まず、情報だ。
情報がなければ、行動もできないし、行動の構想もできない。
ただ、構想で重要なのは、スピーディーな情報収集力、情報の創造力、そして構想者が「自分の頭の中に持っている情報」だ。
それらには、情報への態度がものをいう。
現在「変化」は猛烈な勢いで、未来に向かって加速している。
個人の商品に対する好みも変わる。
昔のクラウンは四種類だったが、内装まで含めれば、何十種類にも及んでいるし(多様化、細分化)、われわれの会社は圏内中心だったのに、海外の会社と連携した(関係の組み替え)。
そして、今、ダウントレンドといってデフレが問題だったのに、突然の素材の値上がりでインフレの懸念が発生している(トレンドの転換)。
研究なども圏内でやっていたのが、世界中に拠点を持ち、ネットを組んで進める(巨大化)。
優良企業と思われていた企業が倒産する(突然化)。
若者たちのファッションの転換も突出している(価値観の世代別転換)。
このような変化は挙げると切りがない。
だが、どの場合も共通しているのは、その変化そのものが、情報を次々と大量に発生させ、それがまた次々と情報の一層の複雑性を生んでいることだ。
今問題とする構想力においても、これらの情報をどう利用するか、また逆にどう情報にだまされないかが問題となる。
まず、個人として情報とどう対時するか、検討してみよう。
あるプロジェクトメンバーの会話から始めよう。
大事な情報をアタマの中にたたき込め「A4判のシ−トに新聞の切り抜きを一年やったが、結局、とっさの役には立たないものだ」「分類が悪いんだろ」「いや、必要な情報は出てくることは出てくるんだが、発見に手間取って、まとめる時間がない。
「それならやめてしまえばいい」乱暴なことを言っているのはB君。
討議では鋭い発言、分析では広い関連情報のもとで見事な関連図を書く。
そこでA君は助言を求めているようだ。
こんなケ−スは読者の周辺でも見かけることが多いと思う。
もちろんA君のようにファイリング・システムを工夫することは大事だ。
またその活用システムを考え出すことも重要だ。
ただこれらのシステムは、一歩誤ると知識のすべてが「外在」してしまうということには注意を要する。
アタマに入らないで、「ハコ」の中に入ってしまう構想力の基礎をつくるということである。
特にこれからのシステムは、大量な情報がシステムの中に集結していき、その活用もさらに便利になるので、用心しないと、われわれのアタマは怠け出す危険がある。
コンピュータを使い慣れている人なら、インターネットを活用すればよいと言うであろう。
そのとおりだと思う。
インターネットからは恐ろしいほど情報が得られる。
政府の政策から、癒しの宿の情報、それに企業情報までも簡単に手に入る。
意見交換もできる。
それでも、と言わなければならない。
そこには「何があるか」「どうなっているか」「どうであったか」の情報はあるが、「将来はどうなるか」「今後はどうするか」に関する有効な情報は少ない。
これは自分で思考するほかはないが、この思考には、本質的には自分のアタマに入って、整理されている情報が第一義的に重要なのである。
その意味で、自分のアタマの中に重要な情報をたたき込め。
即ち情報のすべてをコンピューターにしまい込むな。
即ち「外在化」するな、である。
次に、日常の情報化努力の累積について述べよう。
最後の五分間の努力X君は野球部のキャプテン。
学校までの通学時聞は一時間。
朝早くから校庭で練習、夜一番遅く家へ帰る。
しかも成績はクラスで一番。
一番勉強時間が少ない彼がなぜトップかについて「アタマの良し悪しであるもんだなあ!」と思っていたが、ある時その秘密がわかった。
どの授業でも、最後の五分あたりになると、彼の身体は揺れ出し、眼をつぶったかと思うと天井をぱっと見るというような極度の緊張、集中状態があったのである。
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